新年のごあいさつ [2006年1月1日]

 新春のお慶びを申し上げます。
 昨年は、民主党にとって大変厳しい年となりました。私たちは、皆さんのご支援をいただきながら、政権交代をめざして衆院選挙に臨みましたが、歴史的な大敗を喫してしまいました。
 小泉首相が、郵政民営化という自己の目的を実現するためには、政権の座をも捨てる覚悟で勝負に打って出てきたのにもかかわらず、民主党の側は、自民党内の内紛にまかせて漁夫の利で政権の座を得るかのような極めて消極的な受身の姿勢であったことが、最大の敗因であったと思います。私たちは、あらためて政権交代で日本を変えるという立党の原点に立ち返って、臥薪嘗胆の決意で頑張っていくつもりです。
 さて衆議院の勢力図は、自民・公明が議席の三分の二を占め、与党単独で憲法改正の発議ができるほどの絶対的な優勢を誇っています。
 そうした国会内での圧倒的な数の力をバックに、小泉政権は「小さくて効率的な政府」をつくることを政治目標に掲げました。そして小泉内閣は「小さな政府」にむけて、三位一体改革における地方交付税の削減、また総人件費改革のもとでの公務員数の純減と給与の引き下げ、公共サービスを民間に開放する市場化テスト導入やアウトソーシングの促進や、そして社会保障給付の抑制など、次々と攻勢に打って出ています。
 彼らは、「小さな政府」を推進する理由として、経済活動の主体を政府から民間に移し、経済活動をもっと効率よくして競争力を高めるためだと主張しています。しかし、すでに経済が成熟化のピークを過ぎ、同時にこれからの日本経済を牽引する次代の産業が無い中で、「成長がすべてを解決する」という発想のままでいいのか疑問です。また、効率性や経済性を求めて規制緩和と公共分野の民間開放を一気に進めることによって、本当に社会的な公正が担保していけるのか、さらに国民が払わなければならない負担が増大するのではないのかという、大きな懸念をも持たざるを得ません。社会における公正な分配の観点が欠落した、何でもビジネスの機会として捉える経済至上主義の思考で、これからの時代に対応できるとは、とても思えないのです。
 確かに、超高齢化社会を目前に控え、経済を立て直していくことは大きな課題です。その意味で私は、これからの日本経済を支える重要な役割は、福祉を中心にした対人社会サービスが担うことになるのだろうと考えています。経済学的にも高い経済波及効果が認められている福祉こそが、長い間、不況に苦しんできた地域経済を活性化し、地域の雇用を拡大する原動力になるはずです。これからの超高齢社会に対応するためには、地方分権を徹底的に進め、地方に財源も権限も移譲して、福祉を中心にした住民にとって身近で必要性の高い公共サービスを充実させる政策が、選択されるべきです。
 八十年代、景気が過熱しはじめていた時、本来ならば政府が財政政策によって過剰な消費や投資を調整すべきはずであったのに、逆に米のレーガン減税をまねて日本でも所得税減税を行い、経済のバブル化をいっそう進行させてしまいました。その結果、膨張を続けた経済は、突然破裂し、その後一転して、巨額の不良債権処理に追われ、景気が長い間低迷したことは、記憶に新しいところですが、これは政府の政策の失敗が原因であったことは明らかです。
 いままた、政府は「小さな政府」を推進することによって、大きな過ちを犯そうとしています。超高齢化時代を迎えようとしている時に、中央・地方の政府の役割や機能、そして公共サービスの質と量を縮小するという政策を、絶対に選択してはなりません。
 私は国会において、「小さな政府路線」を掲げる小泉政権と徹底的な論戦を行って、日本を、何よりも、安心して暮らせる社会にするために全力で頑張っていくつもりです。さらなるご支援・ご協力をいただきますようお願い申し上げます。

 2006年1月1日

 

参議院議員 高嶋良充
 
 
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