総人件費改革の圧力に屈した人事院を質す
新しい人事評価制度は信頼が第一

給与法が成立

[2006年11月10日]
 11月9日に給与法改正案が審議され、高嶋議員が質問した。今回の給与法改定の内容は、月例給、ボーナスともに俸給表等の改定はしないという人事院勧告通りのものである。しかし、今回の人事院勧告は官民給与比較方法が見直され、企業規模100人以上であったものが50人以上に変更された。この見直しが行われなければ、月例給は1.12%の引き上げ、ボーナスは0.05月分の引き上げが行われたはずであり、実際的には民間賃金の改善に比べ公務員給与の改善が遅れる内容となっている。今回の官民給与比較方法の見直しにあたって、総人件費改革を推進する政府の圧力があったことは確実である。労働基本権の代償措置としての中立・第三者機関である人事院の権能を超えた判断に対して、高嶋議員は厳しく質した。高嶋議員はまた、新しい評価制度の試行の問題点、天下りを事実上解禁する内容の「中馬プラン」についても質問を行った。給与法案は10日の参院本会議で成立した。
以下、質疑応答の要旨
官民比較の企業規模の見直し
高嶋議員

公務員の給与は低ければ低いほど良いという風潮があるが、それは問題だ。公務員には公務員にふさわしい給与水準がある。民間が景気上昇で賃金が改善しているのに公務員給与の改善が無い。しかも総人件費改革で定員が減らされ仕事がきつくなる。これでは、公務員の士気を上げろと言っても無理な話だ。

谷人事院総裁

公務員の給与水準を決める決定的な原則はない。だから市場原理のもとにある民間企業と同種同等の職務を比較して公務員給与を決めることが現実的、合理的であった。しかし、従来の官民比較における企業規模が、社会的コンセンサスが得られていない状況になったとの判断に立ち、見直しを人事院の責任で行った。

衆議院議員高嶋良充
高嶋議員 今回の企業規模の見直しにあたって、使用者だけの言い分だけを受け入れたことは人事院の機能を大きく損ねた。人事院には財政事情を考慮するような機能も権限も付与されていない。歳出削減効果をもたらす賃金抑制を行うとすれば、使用者としての政府の責任で、労使交渉をおこなうことが必要だ。
菅総務大臣 公務員の労働基本権は、公務員の地位の特殊性と職務の公共性、国民全体の共同利益の見地から一定の制約は免れえないが、行革本部の専門調査会での国民意識を踏まえた幅広い検討の方向性を見守りたい。
信頼できる新しい人事評価制度の構築を
高嶋議員 現行の勤務評定に代わって、能力・実績に基づく人事管理を行うのなら信頼できる評価制度の確立を進めるべきだ。公務員の能力や実績を高め効率性を上げることが目的であって、給与の差をつけたり、分限処分をやりやすくするための評価であってはならない。

谷人事院総裁

能力・実績に基づく人事管理を行う目的のものであり、客観性、公正性、透明性の高い実効性のあるものでなければならない。将来的にむけて職員本人にインセンティブを持って職務・勤務につかせることが目的でもあり、本人の納得性が大事である。

高嶋議員

「透明性の確保」が評価制度を成功させるカギだ。第1次施行では評価結果を開示しない省庁がほとんどだった。評価制度構築にあたって、現状を変えたくない、既得権益は守りたいと言う発想ではだめで、十分に組合と協議し、本格的実施にむけ着手すべきだ。

菅総務大臣 新たな人事評価制度は透明性を確保することが大事。被評価者への評価結果のフィードバックや苦情処理システムの構築は、評価に対する信頼性の確保のために重要だ。公務にふさわしい評価制度構築に向け、組合とは十分な意見交換を行っていきたい。いたずらにいつまでも施行をやっている時期ではないと思っているので、私の責任で方向性をだして行きたい。
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