参議院総務委員会

長期安定へ、地方議員年金の改正成立

[2006年6月6日]
 国民の大きな批判によって、国会議員年金は今年4月1日に廃止されたが、いまだに議員の処遇に対して、世の中の厳しい視線が注がれている。そのような状況の中で、地方議員年金制度の改正案が、6月6日の参院総務委員会で審議された。今回の改革は、市町村合併の急速な進展により、市・町村議員共済会の会員数が約1/3減少し、2008年度には積立金が枯渇する見通しにあるため、制度を存続させる必要から行われた。
今回改正の内容については、給付面で「@退職年金、退職一時金の給付水準を12.5%引き下げる。A既裁定者の給付水準を10%引き下げる。B在職加算年数の上限を在職50年から在職30年に引き下げる。」こととするとともに、収入面で「@掛金率を上げる。A国民の批判が強いが、公費負担率を引き上げる。B市・町村共済会の財政単位を一元化する。」ことによって、地方議員共済会の財政運営の安定化を図ることを内容としている。
改正法は6月7日の参院本会議で成立し、2007年4月1日より施行される。
以下、質疑応答の要旨
制度存続の趣旨は
高嶋議員

国会議員互助年金は廃止されたが、地方議員年金制度を存続する理由は何か。

公務員部長

国会議員年金は退職金としての基本性格を有しているのに対し、地方議員年金は掛金を中心にした互助年金制度で、そもそも制度の性格が違う。また国会議員年金は恩給方式で国が直接給付するのに対し、地方議員年金は現役議員に係る掛け金と負担金で受給者を支える社会保険方式で運営されている。

既裁定者の給付引き下げの理由
高嶋議員 既裁定者の給付を引き下げる改正を行うが、財産権を保障している憲法との関係で問題はないのか。
公務員部長 既裁定者に応分の負担を求めることで、現役会員の負担増への配慮、世代間の給付と負担の公平性の確保、公費負担増の抑制として機能し、結果として制度破綻という最悪の事態を回避できる。財産権との関係について、最高裁判例から問題はない。
国民の誤解に応えるべきだ
高嶋議員 国民の中には、「地方議員年金はおいしい年金」だとの批判もあるし、国会議員年金と同様に廃止すべきとの意見が根強く存在している。国民に制度を存続することの理解を求める努力をすべきだ。

公務員部長

批判の的となっている「ダブル・トリプルで受給できる」という点については、県・市・町村それぞれに制度が分かれているためであり、また「孫まで受給できる」という点については遺族年金の転給であり、地方公務員共済と同様の仕組みのものである。国民に誤解をもたれないよう、理解を得る努力をしたい。

竹中総務大臣

地方議員年金と国会議員年金は基本的に制度が違う訳であるが、地方議員年金はなぜ廃止されないのかと素朴に思われる方もいる。地方分権をこれから進めていく上で、現時点で国民の理解をきっちりと得ることが重要だと考えている。

 

 

合併特例法に基づいた対応を
高嶋議員

今改正で概ね20年間、安定的な運営が可能となるが、更なる市町村合併の進展などで、環境の激変も考えられる。いかなる場合でも、合併特例法に基づいてしっかりとした対応をとるべきだ。

竹中総務大臣 4年毎の財政再計算の際に、持続可能性を持って制度が運営できるように対応していきたい。市町村合併特例法65条3項に基づいて、市町村合併が更に進展した場合でも、市・町村議員共済会の健全な運営を図るための措置を国の責任で行いたい。
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